阮氏墓碑計画
計画の概要
依頼主は沖縄阮氏我華会
敷地は西原町我謝運玉森の北東斜面に位置し、中城湾を展望する高台にある。 敷地面積461.64㎡の南側約40㎡のエリアに、阮氏始祖 阮國の墓碑を中心に、左側に記念碑の移設、右側に阮氏宗家の門中墓を建設する。
設計主旨
墓らしくない建造物
墓という固定観念に縛られることなく、広く心の交流を深める神聖な場所として未来に受け継がれる拓かれた空間を目指す。
インド風水(古代の風水)を設計のモチーフとして活用する
南西~北東にかけて傾斜する斜面にあり、森を背に海に向かう配置は、インド風水に依 れば精神性を高める方位と地形条件を備えている。 古代インドの建築術として知られているインド風水(ヴァスツー)のエッセンスである五 元素、エーテル(気)、風、光、水、土の調和を造形要素として、“拝みたくなるような神 聖な空間“を創り出す。 迎える朝日をシンボルとして、東の方向に望む久高島、セーファー御嶽の神聖な(シジ高 い)空間と響きあうように、五感で風や光や音を感じとれるように全体を構成する。
均整の取れた造形の美しさを表現する
阮氏の歴史を訪ね、琉球との関わりを持つに至った経緯(沖縄阮氏我華会のHP参照) から、船乗りであった始祖阮國の象徴として船のイメージを造形に導入する提案があった。それを受けて、当時の進貢船やマーラン船を思い浮かべながら、石の造形美を探っていった。 中国と沖縄の文化の懸け橋として歴史の中で育まれてきた沖縄の美意識を反映させようと心がけた。 阮國が灯した光を絶やさず後世につながっていくことを願って・・・・・・