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海の家

山の家

山の家 ~「海の家」との対概念~

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自然と人 巡り合う場に

海の家と同時期に名護市で計画が進められた。一方が海辺にあるのに対して山のふもとに位置している。計画図で見るように東の山から西の海へ、時刻に伴って「山の家」の窓から「海の家」の窓へと陽が移っていく。一日の陽の巡りに対して一対の関係を結ぶ双子の兄弟のように、光窓を双方の円状の空間に配置した。海と山は名護市のシンボルでもある。

日の巡りに寄り添うように海と山との間に街並みがある。東の山際と西の海際に隔たってあるかのようなそれぞれの存在が、一体の空間を構成していることに注目してほしい。

この二つの家は、日常生活のレベルで自然のサイクルを感じられるようにという思いが込められている。それは意識的な計画の手法によって物事を別の角度から見つめる機会を与えている。サンゴ石を屋根瓦の代用にした「海の家」とは対照的に「山の家」では寄棟のコンクリート屋根に土を載せて芝生を這わせた。土はパッシブクーリング(自然の冷房システム)を実現するにはもってこいの材料なのだが、その扱いには気を付けたい。

芝生の手入れのためにだけ屋根に上がるのは習慣化しにくい。計画に土を導入する際は住み手が主体的に楽しめる工夫がいるだろう。遊びを取り込んで自然とのふれあい方を親密にすることが望まれる。

機能即空間という図式では維持管理に無理をきたすことが多い。家族の成長に伴う意識の変化や、世代間の交流など社会的、心理的な側面の課題にこたえる必要がある。 住いは家族一人一人の成長を育む器としての役割を担っている。時を経てあらためてそのことを大事に思うようになった。

「イチャリバチョウデー」という黄金言葉がある。みんなともだちと解釈してもいいような、他を受け入れる広い視野を持つこの言葉の響きが好きだ。 海の家、山の家の計画を通して、人や自然との関係を喜べるめぐりのいい関係を考えてみたかった。

kogomi

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